2023/04/12
通気・換気とは
2022/12/01
小屋裏換気(屋根裏換気)とは、一戸建て住宅の天井より上の部分、つまり屋根とその下の部屋との間にある小屋裏(屋根裏・天井裏などとも呼ばれる)空間の湿気や熱などを外部に排出して換気することを指します。
小屋裏換気(屋根裏換気)により、夏季に小屋裏の温度上昇を防ぐことで、冷房の効率を向上させ、エネルギー消費を抑えられたり、冬季の結露やカビの発生を防ぎ、建物の劣化を防止したりすることができます。
この記事では、小屋裏換気(屋根裏換気)について、その目的や計算方法、具体的な製品例などをご紹介いたします。
小屋裏換気とは、一戸建て住宅の天井より上の部分、つまり屋根とその下の部屋との間にある小屋裏(屋根裏・天井裏などとも呼ばれる)空間の湿気や熱などを外部に排出して換気することを指します。
多くの方は普段は小屋裏をあまり気にされることなく過ごされているのではないでしょうか。
小屋裏換気の主な目的としては、先ほど述べた小屋裏空間の湿気を外気に放出することによって、構造材を乾燥させて小屋組材の耐久性を保つことです。
小屋裏換気の目的については、下で詳しくご紹介いたします。
小屋裏換気の目的は、大きく次の4点です。
小屋裏は夏季に非常に高温になりやすいです。
小屋裏換気を行うことで、熱気を排出し、室内の温度上昇を抑えることができます。
その結果、冷房の効率が向上し、エアコンの使用頻度や電力消費を減らすことができます。
冬季には湿気が小屋裏にこもりやすくなります。
この湿気を効率的に排出することで、結露やカビの発生を防ぎます。結露やカビは、建材を劣化させるだけでなく、室内の空気質を悪化させる要因となります。
湿気や過熱は建材に悪影響を与え、建物の劣化を早める原因となります。特に、木造住宅においては、これらの問題が深刻となります。
小屋裏換気で適切な温湿度管理を行うことで建材の劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばすことができます。
小屋裏の空気を常に新鮮に保つことで、全体の居住環境を向上できます。
換気によって新鮮な外気を取り入れ、こもった空気を排出することで、室内の空気質が改善され、健康リスクが低減します。
これは特に、アレルギーや呼吸器系の問題を持つ住人にとっては重要な要素です。
住宅全体に思わぬ影響を及ぼすことがあるため、家を長持ちさせるために小屋裏の影響を受けにくくなるような対策が必要になります。
事実、この小屋裏の部分は夏は60℃まで上昇する酷暑となり、外気温よりも暑い過酷な環境となります。どれだけ天井に断熱材を敷き込んだとしても、これだけ気温が上昇すると断熱効果は下がってしまい、室内温度の上昇は避けられません。
これは室温に限った話ではありません。
より深刻なのは、小屋裏温度の急激な低下により発生する内部結露です。
空気中に含まれる水分が放出されて木材や断熱材に発生します。
また、近年人気の片流れ屋根は、雨漏り対策が不十分かつ、換気・通気の方法がしっかりと確立されていません。
これらがカビや腐朽の直接的な原因となり、住宅そのものの寿命が短くなるだけでなく、健康被害の原因になる可能性もあります。
そうさせないためにも、適切な換気が不可欠になります。
換気によって小屋裏の温度上昇を抑制し、湿気を逃がすことによって結露やカビの原因を防ぐことができます。
結果的に、木造住宅の耐久性を高め、住まい環境の劣化を防ぐことが可能です。
昨今の木造住宅は高気密・高断熱であり、夏は涼しく冬は暖かいという快適な環境が提供されています。
高気密・高断熱は温度を逃がさないことで快適な居住空間を生み出します。
しかし、密閉性や断熱性が昔より格段にアップした結果として、住居内に湿気がこもりやすくなっています。
高気密・高断熱が住宅の骨組みとなる木材を腐らせ、強度が弱まることがあります。
そこで必要になるのが、やはり換気ということです。
また、下屋がある場合、下屋も屋根と同様に換気が必要になります。
ルーフバルコニー下が小屋裏空間となっている場合も同様です。独立した小屋裏ごとに換気孔を設ける必要があります。
小屋裏換気は屋根ではなく、断熱材を天井面に敷きこむ内断熱工法の場合に設置が必要になるものとなります。
建築基準法では小屋裏換気の設置は義務付けではありませんが、フラット35などの住宅ローンを利用する場合には必須条件となっています。
屋根断熱の場合、小屋裏換気は要さないのですが、屋根内部の断熱材に雨水や室内からの水蒸気によって結露が生じやすいので、断熱層の屋外側に通気層が必要です。通気層は、ただ層をつくればいいのではなく、空気がきちんと流れることが大事です。
空気の入口(給気)と出口(排気)を確保するのが良いです。屋根断熱には棟換気が最適です。
住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書では、屋根形状や換気方法に応じて小屋裏換気孔の面積を定めています。
ただ、換気孔の面積は最低基準なので、屋根の形状に応じて、効率よく空気が 流れるような位置に、換気孔を設置することが望ましいです。
軒裏から給気し、棟部から排気する(仕様書における「ホ」:軒裏給気 棟排気)のは理想的な方法の一つです。
小屋裏換気にはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、自然換気(圧力差で生じる換気)での小屋裏換気の方法を2つご紹介します。
空気の入口と出口の間に生じる風圧差による換気を行う自然換気の方法です。
これには、住宅内外の圧力が大きく関係しています。建物に風が当たることによって、風上側(風の吹いてくる方向側)には圧縮力(正圧)、風力が押し出す力が生じます。
また、風下側(風の吹いていく方向側)には、これとは逆に負圧、風力が引っ張る力が生じます。
これにより、建物の風上側と風下側とに強い風圧力が発生し、それに引っ張られるように空気が出入りし、気流が発生します。
風によって生じる空気の流れを考えて、適切な位置に換気孔を設置し、換気に利用すると、自然換気による小屋裏換気システムが実現されます。
小屋裏内外の温度差によって生じる気流による換気を行う自然換気の方法です。
室内と室外の温度差によって生じる温度差を利用するため、こちらも風圧差による換気方法と同様で自然換気になります。
小屋裏空気が暖められて膨張し圧力が高まり、空気が建物上部から外に出ようとし、その分、建物下部から外気が侵入することで発生します。暖かい空気は軽いため上昇し、冷たい空気は重いため下降するというのは多くの人が知っている事実だと思います。
これは空気の密度によるものです。
つまり、温度差による換気とは、空気の密度の差、圧力で起こる換気だと言えます。換気量は、室内外の温度差が大きいほど、開口部が大きいほど、上部と下部の開口部の差が大きくなるほど増えます。
ほかに小屋裏換気には、下記のような方法があります。
空気には暖かくなると軽くなり上昇するという特性があることを利用し、小屋裏の最下部である軒から新鮮な空気を取り入れ、小屋裏内で暖まった空気を屋根の一番高い場所(棟部)で排気する製品を「棟換気」と呼びます。
木造住宅の棟に施工し小屋裏空間の換気を行うことで、住環境の快適化・木造住宅の長寿命化に貢献する住宅建材です。近年の新築物件では、棟換気の採用比率がますます高まってきています。
棟に換気孔を設けるという構造上、換気孔からの雨漏りを防ぐため、棟換気には高い防水性能が要求されます。
同時に、高い換気性能を発揮するためには空気の通り道となる換気孔を大きく設ける必要があります。
しかしながら、一般に換気性能と防水性能はトレードオフの関係にあり、換気孔が大きいほど雨漏りのリスクは高まってしまいます。
トーコーの棟換気は優れた開発力と技術力により、これらの相反する2つの性能を高水準で両立しています。
軒裏への換気孔の設置を適切に行うことによって、新しい空気を小屋裏に効率的に取り入れられます。
軒裏の換気は軒天材に小さな孔を設けた軒天材、いわゆる軒天有孔ボードが広く使われています。
しかし、軒天有孔ボードは暴風雨時にはケラバ方向はもちろん、地面と水平な軒天材でも雨水の吹込みが見られるため、防水性能を高めた換気部材を使用することが望ましいです。
また、延焼の恐れのある軒裏には防耐火性能が要求されるため、防耐火認定を受けた製品なども流通しています。
昨今、戸建て住宅のトレンドは大きく変化し、建築条件やデザイン重視、予算制約などを理由に「軒ゼロ住宅」が増加(H29年度フラット35住宅仕様実態調査:戸建住宅の4.8%)しています。
ただ、この軒ゼロ住宅は、軒が出ている住宅よりも雨漏りのリスクが約5倍あると言われています。
軒がないことによって、外壁と屋根の取り合い部が雨ざらしになっているからです。
この住宅には、軒天有孔ボードや一般的に普及している軒裏換気部材は使用できません。
トーコーでは棟換気と通気・換気製品を採用した、軒裏給気・棟排気での効率の良い小屋裏換気システム「軒- 棟 小屋裏換気システム」をご提案しています。
軒裏給気だけでなく、先ほどご紹介した棟換気とセットで設置し、野地板を腐朽させないようにしましょう。
住宅の外皮構造で外壁仕上げ材と構造体の間に通気層を設ける「外壁通気工法」です。
外壁通気措置は、最近の住宅のほとんどで採用されているもので、室内側から浸入する湿気及び、屋外側から浸入した雨水を外部に排出する役割を担っています。
住宅の外装材の内側で躯体との間に一定の隙間を設け、その上下端を開けておくことで、外気が流出入できる「通気層」とする工法です。
外壁通気工法には、2種類あります。
軒天見切り縁に通気する構造と、小屋裏換気孔に通気する構造です。
入口は土台水切り部分として、出口は小屋裏換気孔(軒裏、妻、棟など)又は軒天見切り縁に通気します。
小屋裏換気孔に通気する構造は、小屋裏に侵入する水蒸気量が増えるので、壁下から空気を入れ壁の頂部で空気を排気する軒天見切り縁に通気する構造を推奨しています。
棟換気必要数の計算方法についてご紹介します。
小屋裏換気は、建築基準法でその数値は決められていませんが、フラット35の融資を受ける場合やその他助成金・補助金を申請するためには必須条件となっている場合は少なくありません。
その際にポイントとなるのがその必要有効開口面積です。
弊社では棟換気の有効開口基準は「フラット35」の融資基準に基づいて計算されています。
「フラット35」とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携し、提供している長期固定金利住宅ローンです。
その融資基準に「小屋裏換気」の項目があり軒裏・壁給気かつ棟排気の場合、天井面積に対して給気孔は1/900以上、排気孔は1/1600以上の開口を開ける必要があります。
下図は換気部材の必要本数の計算例になります。
現代の木造住宅においては様々な屋根材・屋根形状が存在します。
棟換気も、屋根材毎のバリエーションが必要かつ、屋根形状でいえば、平棟以外にも片流れ、下屋部で使う雨押え、野地面、屋根面など、バリエーション、それらの納まりは様々ですが、適材適所の製品をお選びいただくことが重要です。
多様な納まりに対応し、木造住宅に広く棟換気を普及させるために、トーコーでは屋根材・屋根形状ごとに適した棟換気、通気・換気製品をラインナップしています。
また、弊社製品の特徴としてあるのが、換気性能を発揮するための空気の通り道となる有効開口面積の大きさです。
それに加え、過酷な漏水試験をクリアする防水性の高さも兼ね備えています。
高い換気性能と高い防水性能といった相反する2つの性能を高いレベルで両立しています。
現状、住宅業界は全産業の中でも特筆して高齢化と若手不足が深刻化し、建材商品は職人の手間を省くためにも、施工性の高さが重要ではないでしょうか。
トーコーでは、パーツ数削減・簡単に位置決めができるなどといった省施工仕様の製品を開発し製品化しています。
また、棟換気には防火が不要なのですが、トーコーではより安心な防火仕様もラインナップしています。
小屋裏換気の給気部材では、軒ゼロ住宅でも軒あり住宅でも使用できる画期的な給気部材の「エアーフレッシュ」もご用意しています。住まいに快適をもたらす、トーコーの製品をぜひチェックしてみてください。
トーコーでは、小屋裏換気の製品を開発、提供しています。
エアーフレッシュは、風速30m/s、水量240mm/hという、台風やゲリラ豪雨でも水の浸入を許さない給気部材です(当社実験結果による)。その秘密は、風速10m/sで作動する「WATER STOP」。これが、吹き付ける雨水をシャットアウトします。
軒ゼロ・軒あり、どちらの住宅でも使用できる、画期的な給気部材となっています。
さらに、スレート瓦はもちろん金属屋根・平板瓦など、あらゆる屋根材に対応しております。
火災時に熱膨張材で給気経路を閉塞する防火仕様で、住宅の密集したエリアにも最適です。
エアーフレッシュについて詳しくは、下記のページをご覧ください。
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