2024/04/22
2024年4月20日号新建ハウジング 新産住拓様のインタビューでトーコー製品を評価いただきました。
2022/03/16
足利大学工学部創生工学科建築・土木分野 教授(工学博士)。専門は建築環境工学。 (財)建材試験センター物理試験課、建築研究所環境研究グループ専門研究員などを経て現職
写真①
写真②
写真③
サイディングの目地から雨水が大量に浸入した可能性があります。通気層があっても、浸入した水分を排出しきれず、通気層内に溜まったせいで、通気層内部の湿度が上がってしまったのでしょう。3 階建てで、しかも隣家がないため外壁にかかる雨量も密集地に比べ多く、相当な量の水が入り込んだと推測されます。
木材には腐朽菌が発生していますね。ちなみに、腐った後に木が白くなるのが白色腐朽菌、褐色になるのが褐色腐朽菌です。シロアリによる食害もひどい。芯材の周りが食べられていますね。
サイディングの目地から浸入した水が、胴縁を伝って広範囲に流れていき、開口部周りや透湿防水シートのたるんだ部分などに溜まったのでしょう。シートの裏側にも雨水の浸入痕があり、シートの排湿能力を超える水分が入ってしまったために、湿度も飽和状態になったものと思われます。通気層があるにも関わらず、ここまでの状態になるのは深刻です。通気層が確実に機能していれば、ある程度の雨水が浸入しても、その水分は壁の外へ排出されるはずです。しかし、写真では通気層の上部が行き止まりになっているようです。通気層があるから大丈夫――という話ではなく、通気のための出入口を確保し、澱みが生じないよう通気経路や圧力バランスを、きちんと考える必要があります。今回は偶然に発覚しましたが、内装をリフォームする時でも、外装関連の検査を実施していただいた方が良いですね。
次回は、見逃されがちな “下屋” の換気についてお話ししましょう。
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