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有識者に聞く!技術講座【第2回】耐久性と災害編

2022/06/20

有識者に聞く!技術講座【第2回】耐久性と災害編

近年甚大な被害をもたらしている豪雨災害。住宅の被災防止対策 は、工務店にとって避けて通れない課題となっている。前回に引き続き、住宅金融支援機構の嘉藤鋭さんに話を伺った。

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今回の有識者 嘉藤鋭さん

住宅金融支援機構
マンション・まちづくり支援部
技術統括室
室長

 



耐久性の鍵は「雨仕舞と通気」の両立

 2019年の台風15号により、千葉県などで屋根材が飛散する住宅が多発した。大きな台風であり、瓦の留め付けが十分ではなかったことなどさまざまな原因があるが、雨漏りや結露などによる野地板の劣化もひとつの原因として考えられる。
 雨漏り防止策としては、雨仕舞をしっかりし「雨が入らない建物をつくる」ことが大切である。しかし一方で、結露を防ぐためには、屋根断熱の場合はしっかりと通気層を設け、天井断熱の場合は しっかり小屋裏の換気をすることが大事だ。
 きちんと雨仕舞をしつつ、通気・換気をいかに計画的に確保するのが鍵となる。

<ブルーシートを使った屋根の応急処置の様子。近年の豪雨災害では、住宅が大きな被害を受けている。>

住宅の天敵「結露」から家を守る。


 棟換気は、通気・換気の観点から有効であり、技術の進歩により雨水浸入のリスクはかなり軽減されている。片流れ屋根や下屋で使える棟換気もラインナップされており、住宅の耐久性の向上にも有効である。さらに、施工上の注意点も明示して、間違いのない施工を周知徹底している。
 ただ、屋根断熱で入り口と出口がないなどの通気層に不備があると、結露により野地板が劣化し、風害で屋根が破損する可能性もあると考えられる。住宅の高断熱化が進むにつれ、新たなリスクが生まれていると言えるかもしれない。
 今後、住宅にはさらなる省エネルギー化、カーボンニュートラルへの貢献が求められる。高断熱化と同時に、防湿層と通気層を確実に設計・施工し、結露を防いで耐久性を高めていく必要がある。事業者の皆様にはその重要性を認識していただき、仕事に生かしていただきたい。(談)
 

<屋根断熱の施工例。通気層に不備があると、風害で屋根が破損する可能性があるので注意が必要。>

住宅の天敵「結露」から家を守る。

 

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【有識者に聞く!技術講座 第1回 小屋裏結露編】はこちら!

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