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有識者に聞く!技術講座【第1回】小屋裏結露編

2022/06/06

有識者に聞く!技術講座【第1回】小屋裏結露編

住宅の高断熱化が進むとともに、国の基準も上がってきている。今回は、小屋裏結露についての課題と対策について、住宅金融支援機構の嘉藤鋭さんに話を伺った。

shinken_katosan.jpg

今回の有識者 嘉藤鋭さん

住宅金融支援機構
マンション・まちづくり支援部
技術統括室
室長

 



空気が効率よく流れる入口・出口の位置を考えよう

 住宅の断熱層の内外で温度差が発生すると、結露が発生する恐れがある。通常、上部の断熱層というと屋根、又は天井のどちらか。小屋裏結露対策においては、断熱層の位置にあわせた方法を選びしっかりと施工することが重要。天井断熱であれば、小屋裏を換気する。屋根断熱は、断熱層の屋外側に通気層が必要だ。
 通気層は、ただ層をつくれ ばいいのではなく、空気がきちんと流れることが大事。空気の入口(吸気)と出口(排 気)を確保するのが良い。軒ゼロ住宅や片流れ屋根、住宅の下屋部は、開口面積の確保、換気経路の計画、どちらも難しいが、可能な限り入口と出口を別に設けたい。
 当機構の木造住宅工事仕様書(以下「仕様書」)では、屋根形状や換気方法に応じて小屋裏換気孔の面積を定めている。ただ、換気孔の面積は最低基準なので、屋根の形状に応じて、効率よく空気が 流れるような位置に、換気孔を設置していただきたい。軒裏から吸気し、棟部から排気する(仕様書における「ホ」)のは理想的な方法の一つと言える。


<棟換気を設置した場合の空気の流れのイメージ図。換気・通気は空気の入口と出口が必要>

住宅の天敵「結露」から家を守る。


 住宅の高断熱化が進む中、小屋裏を含めた結露のリスクは、確かにあるだろう。しかし、平成12年に創設された住宅性能表示制度で通気層が基準に盛り込まれ、以来高断熱化が進んでいるなかで結露対策を講じた設計や施工が普及している。
 小屋裏結露にしても、小屋裏換気や屋根の通気層をしっかり確保すれば、特段リスクが高まることはないだろう。(談)

shinken_1-1.jpg


結露により、屋根の断熱材が剥がれ落ちている

shinken_1-2.jpg


妻側のガラリの様子。広い小屋裏空間にガラリが2か所のみで、換気量が不足している


【有識者に聞く!技術講座 第1回 小屋裏結露編】のPDFデータをご用意!

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