
2024/04/22
2024年4月20日号新建ハウジング 新産住拓様のインタビューでトーコー製品を評価いただきました。
2022/03/09
足利大学工学部創生工学科建築・土木分野 教授(工学博士)。専門は建築環境工学。 (財)建材試験センター物理試験課、建築研究所環境研究グループ専門研究員などを経て現職
写真①
写真②
まず、大量の水分が小屋裏に浸入したと考えられます。雨水に起因する水分が浸入したのか、室内の湿度が高かったのか、正確に判断はできませんが、室内側に原因があるとすれば、加湿器を過剰に使用したとか、浴室の換気に配管ミスがあって、ダクトから浴室内の湿気が浸入した――などが考えられます=図。
その上で、大量の水分を排出するための換気能力が不足していたために、結露が発生したと推測されます。この建物では小屋裏空間が 3 つに区切られているにも関わらず、結露が発生した区画に換気棟が配置されていないことがわかります=図。
屋根全体で見れば、小屋裏換気量は公的な指針を満たしていると思われますが、問題が起きた部分に限れば、換気量が不足しています。結露の根本原因は何らかの水分の流入ですが、安全弁としての換気口面積が不足したことにより大量の結露水が生じ、最終的に天井面から室内に流れ込み、発覚したということでしょう。
まずは、水蒸気の発生源を断つことです。次に小屋裏換気の確保ですが、今回のようなケースでは全体の換気量が十分かどうかよりも、小屋裏空間の構成を把握したうえで、換気口をバランスよく配置することが重要です。当該住宅では、長い棟換気と短い棟換気が設置されていますが、「短い棟換気を、分割された 3 カ所の区画にそれぞれ設置する」ことで解決できるでしょう。
次回は、リフォーム時に発覚した瑕疵の事例を見てみることにしましょう。
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